吐き気
ストレスが吐き気に出るようになったのは23歳になってから。社会人になってから。元彼と付き合ってから。
元彼はストレスの権化だった。この歳で毎日泣くことなんてあると思っていなかった。日に日に自己愛が無くなっていき、承認欲求が満たされない毎日が続いた。
好きだよ、可愛いよ、って毎日言われてもなぜ満たされなかったのだろう。彼のいう言葉をひとつも信用してなかったからだろうか。彼自身をなにも信用してなかったからだろうか。
信用できないから探りを入れ、自分から掘り返し、裏切られたと喚く。何が得られるのか。安心は得られない。裏切られるまで探りは続く。
好きだった。とても好きだった。何をされても好きだった。そんなの好きに入らないと言われようとも。彼に泣かされてる自分が好きだった。不安定な自分が見捨てられない環境が好きだった。
捨てたのは自分だった。ずっとゴミ箱に入っている。目につく。他のゴミに埋もれることもなく。燃やせるゴミにも出せない。
燃えてくれるのはいつだろうか。誰も燃やしてくれず自分で燃やす勇気もない。
毎日毎日ゴミ箱から出して見てしまうんだろう。だから埋もれない。ずっとそこにある。
ゴミ箱が宝箱になってしまった。宝箱を捨てられる日を今か今かと待っているのに、その日は来ない。